「イーグル・アイ」

Posted by h-wired on 11月 10th, 2008
2008
11月 10

イーグル・アイ
 
ネタバレ注意。
 
 
最初に概要を聞いた時に真っ先に連想したのは「エネミー・オブ・アメリカ」であり、その先入観を持ったまま見に行ったのだが、良い方向に裏切られた。途中、声の演出等から妄想程度に「ひょっとしてあれAIか」と可能性薄く思ってはいたが、本当にAIで、さらに自分の想像外の動機で動いていた事に軽く感動さえ覚えた。
その動機が晒された瞬間、「現代版ニューロマンサーか!」と気付き、さらに自分内でヒートアップ。最後まで面白く見られた。
 
主人公と、行動をともにする女性のそれぞれの動機の対比やその理由付け、そして主人公の存在意義、絡んでくる双子の兄の存在が実に見事に組み合わせられている。さらに監視下に置かれていた時点の兄の行動が非常に緊迫感ある描写で魅せる。
構造的に話を楽しめない人や、漠然と思っていただけの結果を「やっぱりか」と思ってしまう人にはお勧めできない。逆に、話の構造を楽しめる人間には強くお勧めする。特に、すべての動機が集約する最終場面は美しいといえるほど。非常に好みの設定、展開で素晴らしく面白かった。

「ボーン・アルティメイタム」

Posted by h-wired on 11月 26th, 2007
2007
11月 26

Bourne Ultimatum

見てきました。相変わらず人のフィジカルな動作に影響を与える力のある素晴らしい映画。
そりゃ大股で早歩きになったりするよ! 後ろとか警戒しながら歩いたりするよ! その場にあるものだけで、どうやればこの場に居る全員を無力化できるか考えたりするよ!
 
スプレマシーから注力されている、その場のアイテムでどうにかしてしまういわゆる「マクガイバー的ソリューション」が今回も小気味よく使われていて気持ち良い。さらに追跡側、逃亡側のやりとりにおける圧倒的なリアルタイム感。双方の思惑の交錯。敵ではあるが、プロである以上その行動にある程度以上の確度がある、という前提での行動。実に素晴らしい。要所で使われている主人公の記憶のフラッシュバックが多少伏線として強引なきらいはあるかもしれないが、それ以上のカタルシスを画面に提示してくれるので気にならないレベルだった。
 
同席した人物が、「演出部分がアイディンティティは味付けとして甘かった。スプレマシーは個人的には辛すぎた」との評で、そういうものか、と妙に納得してしまった。その説でいえば、自分は多少辛いくらいの味付けでも充分いける、というところだろうか。ちなみに「今回のアルティメイタムは甘辛くて丁度良い塩梅」との言。さもあらん。ただ追跡されているシーンが、画面の切り換えと見せ方、そしてなによりその音楽が無条件の「かっこよさ」を導いている。気付けば、今回も民族楽器が主張する温かみと力のある曲が、完璧に場面と合わせられていた。
 
余談だが、見終わった後平沢進の「庭師KING」が何故か頭の中で無限ループしていた。自分でも訳がわからず、必死で考えてみたところ、どうやら歌詞の「三歩目の歩行で己の名を見つけ」だったようだ。この部分だけだが、妙に馴染んでいて印象に残った。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」

Posted by h-wired on 9月 21st, 2007
2007
9月 21

見に行ってしまった。現状の個人的な時間進行から考えると暴挙ともいえる行動。
しかし、行った価値はあった。本当に映画館に見に行っておいてよかった。以下激しくネタバレなので未見の方は読まないことを強くお勧めする。
 
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「プレステージ」

Posted by h-wired on 7月 6th, 2007
2007
7月 6

プレステージ

一応気をつかってはいるが、ヒントに近いものがあるので、ネタバレが気になる方は以下を読む事を避けていただきたい。

手品のトリックそのものには(当然といえば当然だが)踏み込まず、ステージに立つ奇術師同士の人間模様を描いた作品。新しいトリック(瞬間移動)を競い合う事に終始している。

メメントのように時系列をシャッフルし、本来淡々と語られていくはずの筋を「唐突な場面」>「伏線回収」という流れにしており、それが多重に入り組んだ構造になっている。最初は戸惑うが、徐々に慣れてくるとその回収っぷりに驚かされる。ミステリ的なトリックとしては古典+多少反則気味という印象だが、それを感じさせない見せ方は素晴らしい。途中で真相に気づいてしまっても、最後まできちんと魅せる技術と絵面の力強さがあった。特に面白かったのはその構造で、序盤の映像のほぼ全てが、中盤から終盤にかけて語られる真相の伏線になっており、観客に場面を思い出させる事に力を注いでいた。これがいいインパクトになり、物語と観客を引っ張っている。

配役も見事で、ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが二人の奇術師の立ち位置を見事に表現している。個人的にはいつウルヴァリンvsグラマトン・クラリックの対決が始まるかと気が気ではなかった(ありません)
舞台がイギリスということで、雰囲気作りにも相当気をつかっているらしく、登場人物のほとんどがかなり強いクイーンズイングリッシュを喋っていた事が印象的だった。あと、デビッドボウイの配役が実に素晴らしい。一見の価値がある。

全体でいっても相当完成度の高い映画ではあるが、トリック重視だとミステリでいう壁本的な印象になってしまう可能性があるので、トリックはあくまでおまけだと考えて見るべき作品だろう。面白かった。

「ザ・シューター 極大射程」

Posted by h-wired on 6月 14th, 2007
2007
6月 14

ザ・シューター

音アリ注意。
23日に見に行く予定をしていたにも関わらず、どうにも見たくて、いても立ってもいられなくなり、視聴。2回見に行く可能性が高いと予想したため。

話の構造自体は、相当原作に忠実な部類であると思う。主人公が原作より若いのと、ベトナムが関わっていないことくらいだろうか。後者は絵面を提示できるというメリットから考えても、納得のいく選択であり、良い方向の結果を出せていると思う。前者は、主人公の伝説成分が少し薄まる、といった程度か。もちろん、細かい部分も削られているが、大筋に影響を及ぼすような削り方をされている部分は少ないだろう。ただ、「同じ物語構造をした別モノ」になっている感は否めない。

シーンの視覚的な再限度が相当に高かった印象がある。原作を読んでいた時に想像していた絵面とほぼ同じものがスクリーンに次々展開されて、思わず唸った。原作描写をかなり細かいところまで気遣った結果だろうと想像する。

難点といえば、原点の動機となるべき人物が微妙に端折られて表現されていたところと、締め方。動機の人物に関しては、もう少し押し込みの強い(原作と同じ)立ち位置に置くべきだったと思う。締め方は、映画での続編を出さないつもりであるなら、こういった終わり方をせざるを得ないのかな、といった印象だが、それにしたってもう少し詳細な表現をしてほしかった。特に序盤の伏線の回収につながるラストは、余りにも簡素すぎる上に、ミステリ的な伏線回収の意味を充分に発揮しておらず、実にもったいなさ過ぎる。

とまあ、原作ファンから考えると色々と不満はあるが、それもこれも提示された具体的な絵面に黙らされてしまった。想像以上にスナイパー映画。ボルトアクションの動作音、銃声、クロスヘア、トリガするまでの息遣い、等々「スナイパーってかっこいいよね!」という全力の主張に満ちたシーンが満載で、原作未読の人はここが楽しみの主眼になるだろう。

全体でいえばかなり楽しめたし、2回目の視聴にも充分に耐える出来。原作ファンが別の「極大射程」を確認する、という意味で見に行くというのもありだと思う。2時間でよくここまでのものをまとめ上げた、という意味で称賛に値する。

「恋はデジャヴ」

Posted by h-wired on 5月 12th, 2007
2007
5月 12

DVDを貸してもらって視聴。

「時間軸モノ」の素晴らしい一つの完成形。
話は事前に大まかに聴いてはいたが、それでもちゃんと面白かった。
特に主人公の動機の変化からが魅せる。

「七回死んだ男」、もしくは「All you need is kill」どちらかを読んでいる人は必見。原点が確認できる。締めはやはりラブコメディだが、それでも実に美しかった。

「デジャヴ」

Posted by h-wired on 5月 12th, 2007
2007
5月 12

デジャヴ

音アリ注意。
見に行っていたのに書くの忘れてた。

「刑事モノ」であり「SF」であり、しかも「時間軸モノ」であるという、正に自分のためにあるような映画。人に勧められて見に行ったのだが、完全に趣味が読まれていた状態。

刑事モノお約束の「捜査中止」からの怒濤のSF展開に一気に流される。
「あれ?」と思った所にはすべからくきちんと説明があり、伏線は終盤に一点に向かい一気呵成に回収され、エンディング。

素晴らしかった。多分、まだ複数回見る。

「フリージア」

Posted by h-wired on 4月 8th, 2007
2007
4月 8

フリージア

映画のほう。詳細は上記リンク先で。凄い勢いで音アリ注意。
教えてくれた人が「明日が最終日だ」といったので、逃すと見ないな、と思い映画館に。

細かい演出が少し行き渡っていない感はあったが、全体として充分に面白かった。特に伏線の回収にかなり気をつかっているようで、見せ場での破壊力は素晴らしいものがある。出演者の演技も概ね良好。
締め方自体はカタルシスに欠ける印象だったが、ちゃんと理由があるうえ、自分自身がそういう締め方大好き人間だったので評価の低下に繋がってない。納得できる終わり方。
人に勧めるタイプの映画ではないが、個人的趣味としてかなり高評価。面白かった。

漫画版はタイトルのみ知っていた程度だったので、機会を見て読んでみようと思う。