「プレステージ」
Posted by h-wired on 7月 6th, 2007
2007
7月 6
一応気をつかってはいるが、ヒントに近いものがあるので、ネタバレが気になる方は以下を読む事を避けていただきたい。
手品のトリックそのものには(当然といえば当然だが)踏み込まず、ステージに立つ奇術師同士の人間模様を描いた作品。新しいトリック(瞬間移動)を競い合う事に終始している。
メメントのように時系列をシャッフルし、本来淡々と語られていくはずの筋を「唐突な場面」>「伏線回収」という流れにしており、それが多重に入り組んだ構造になっている。最初は戸惑うが、徐々に慣れてくるとその回収っぷりに驚かされる。ミステリ的なトリックとしては古典+多少反則気味という印象だが、それを感じさせない見せ方は素晴らしい。途中で真相に気づいてしまっても、最後まできちんと魅せる技術と絵面の力強さがあった。特に面白かったのはその構造で、序盤の映像のほぼ全てが、中盤から終盤にかけて語られる真相の伏線になっており、観客に場面を思い出させる事に力を注いでいた。これがいいインパクトになり、物語と観客を引っ張っている。
配役も見事で、ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが二人の奇術師の立ち位置を見事に表現している。個人的にはいつウルヴァリンvsグラマトン・クラリックの対決が始まるかと気が気ではなかった(ありません)
舞台がイギリスということで、雰囲気作りにも相当気をつかっているらしく、登場人物のほとんどがかなり強いクイーンズイングリッシュを喋っていた事が印象的だった。あと、デビッドボウイの配役が実に素晴らしい。一見の価値がある。
全体でいっても相当完成度の高い映画ではあるが、トリック重視だとミステリでいう壁本的な印象になってしまう可能性があるので、トリックはあくまでおまけだと考えて見るべき作品だろう。面白かった。