「扉の外 Ⅲ」 土橋真二郎/電撃文庫
こちらも積んであったものをようやく読了。シリーズ最終巻。
閉鎖空間偏愛者として追いかけていたが、1巻、2巻に充分に感じられた閉塞感を、今回綺麗に切り捨てている部分が残念。もっとこう、限られたリソース感を醸し出してほしかった。今回のゲームはガジェットを介してFPSともMMOとも思えるサイバースペース的なものに移行。このゲームもルールが大局的になり、リソース感は雰囲気程度に。代わりに閉鎖空間での人間関係をゲーム内に展開する、という手法になっている。
真相の解明もいま一つぴんとこなかったが、その後の「レイヤー世界展開」は個人的にスマッシュヒット。ここでそのやり方を持ってくるとは思わなかった。なにひとつ解決しているとは言い難い形だったが、閉鎖空間での無力感としてこれは充分にありだと思う。巧い締め方。
総じて見て、よほど閉鎖空間に偏愛がない限りは1巻のみを読む事をお勧めする。人に勧められるかどうか微妙なラインではあるが、設定の段階で「勝っている」部類の良い小説だと思う。面白かった。