「ボーン・アルティメイタム」
見てきました。相変わらず人のフィジカルな動作に影響を与える力のある素晴らしい映画。
そりゃ大股で早歩きになったりするよ! 後ろとか警戒しながら歩いたりするよ! その場にあるものだけで、どうやればこの場に居る全員を無力化できるか考えたりするよ!
スプレマシーから注力されている、その場のアイテムでどうにかしてしまういわゆる「マクガイバー的ソリューション」が今回も小気味よく使われていて気持ち良い。さらに追跡側、逃亡側のやりとりにおける圧倒的なリアルタイム感。双方の思惑の交錯。敵ではあるが、プロである以上その行動にある程度以上の確度がある、という前提での行動。実に素晴らしい。要所で使われている主人公の記憶のフラッシュバックが多少伏線として強引なきらいはあるかもしれないが、それ以上のカタルシスを画面に提示してくれるので気にならないレベルだった。
同席した人物が、「演出部分がアイディンティティは味付けとして甘かった。スプレマシーは個人的には辛すぎた」との評で、そういうものか、と妙に納得してしまった。その説でいえば、自分は多少辛いくらいの味付けでも充分いける、というところだろうか。ちなみに「今回のアルティメイタムは甘辛くて丁度良い塩梅」との言。さもあらん。ただ追跡されているシーンが、画面の切り換えと見せ方、そしてなによりその音楽が無条件の「かっこよさ」を導いている。気付けば、今回も民族楽器が主張する温かみと力のある曲が、完璧に場面と合わせられていた。
余談だが、見終わった後平沢進の「庭師KING」が何故か頭の中で無限ループしていた。自分でも訳がわからず、必死で考えてみたところ、どうやら歌詞の「三歩目の歩行で己の名を見つけ」だったようだ。この部分だけだが、妙に馴染んでいて印象に残った。