『自転車創業HP』.

何年か越しに話にはきいていたり勧められたりはしていたが、今になるまでついぞ手が出ていなかった有名同人PCゲームタイトル。面白くないはずはないだろうとの目論見から、続編発売を機にゲット。数時間プレイしてみてようやっと少しずつわかってきたところ。
 
独特のシステム、完成度の高いUI、パズリックともいえる難易度。そりゃあ人に勧めるときにも言葉が濁ろうというもの。 これをどう表現しようと「ゲームである」以上の何ものにもならないと思われる。ノベル的なものをプレイする際の先入観をことごとく打ち壊し、ひたすらタイトにゲームであろうとする思想は見事。ミステリ的推理ものゲームのヌルさに辟易していたような向きにもお勧めできるはず。「クロス探偵物語」等の難易度を想像してもらえればいいかもしれない。
 
確かに人を選ぶゲームではあるかもしれないが、それはプレイする人間が「ゲーマーか否か」に集約されるだろう。それほどまでにこのタイトルは「ゲーム」という概念の再定義者であり、終始プレイヤに挑戦的だ。
 
現在バスをクリアし、三つの場所をうろうろと行き来。浸水まで確認。そして、おそらくこのゲームをプレイする誰しもが通るであろう例の曲地獄を経験しているところ。 麦畑が。麦畑があああ(暗転)

2008
4月 28

再録分も含めて一通りクリア。
 
携帯コンテンツが初出であるシナリオをまとめ、新作である表題作「きえないこころ」を加えたボリュームのある一本。前作「いにしえの記憶」と基本ラインは変わらず、再録コンテンツがほぼ半分を占める。個人的には全て初見だったので充分な満足度があった。既に携帯版をプレイしている人にとっては評価は変わるかもしれない。
システムとしては基本総当たり的なADVだが、これは歴代そうなので慣れの部類かもしれない。とはいえ、もう少し新しい要素が欲しかったという気持ちもある。ところどころシステム的に洗練されていない部分もあるが、進行上とくに差し障りはなく許容範囲。
 
やはり表題作「きえないこころ」がシナリオ的に頭一つ抜けている感があった。良くいえばリアルな探偵観、悪くいえば冗長な依頼をこなすところからスタートするが、キャラ立てがかなりしっかりしており、関係者全員が意志を持った人間であるという表現がよく生きている。当然、事件もそれにあわせた複雑な様相を呈する。推理する際に適度に混じってくる、排除すべきノイズの要素が、リアルな探偵観をさらに強調している。ミステリ的な暗号がメインに用意されてはいるが、神宮寺という作品は過去代々ミステリではない。所々にはさまれる謎解きの要素も、本気で考えなければ解けないような厳しい難度ではない。(必要なかったのでは? と思う要素も数カ所あったが)
全てがドラマを完成させるために用意されている。非常に綺麗に纏まったシナリオだった。個人的なシリーズに対する思い入れを差し引いたとしてもなお評価できる佳作。

読了。

「殺人事件が起きるまで」を非常に詳細に描いている、ミステリとしてはかなりの異色作。前作として位置づけられている「扉は閉ざされたまま」の人物が出てきてはいるが、物語としては完全に別のものになっているので、これを最初読んだとしても違和感はないだろう。相変わらずこの作者の描く登場人物の動機は変わっていて、「犯人に殺される為に状況を作る主人公」という設定。この一見非常識ともいえる動機を、巧く状況を設定する事によって、ある程度自然に見せる事に成功している。主人公の視点からの描写も見事で、「犯人は”主人公はこう考えるだろう”と考えるはずだ」といった頭脳戦的な展開が実に読ませる。
 
事件が起きていない以上、解決に向かっているというカタルシスはないし、いわゆるミステリ的なトリックも配されていないが、視点、時系列、殺人の意志などが非常に美しく組み合わせられている。さらに、ミステリとしての構造も面白く、「読者が与えられた情報を元に犯人を推理する」形ではなく、「与えられた情報を元に、探偵役がいかにして犯人を推理するに至ったかを推理する」というメタ構造的なミステリになっている。おそらく、そのミステリ部分を意識せずに読んだとしても、サスペンス的に面白く読めてしまうはずだ。この完成度には参った。
 
ミステリを読む人にも、そうでない人にも勧められる秀作。面白かった。

2008
3月 7

遅まきながら狩りをはじめてしまった。G発売にあわせたわけでもなく。特にGをやる予定も今のところはなし。
 
現在イャンクック先生の胸を借りて自身の腕を鍛練しながら、装備の質を上げるため材料集めの日々。大剣を背に走り回っている。二次武装として弓も鍛練中。クシャルダオラ先生のあまりの強さに軽く絶望。やつの風をどうしていいやら。各種情報をウェブ上で集めて対抗策協議中。
 
狩りにいく>得た良い材料で強化>さらに強い敵を狩る 以下無限ループ。ストーリーなどほぼ無いに等しいこのゲームだが、レベルデザイン、敵の強さ、アイテムの効果等、全てが実によくできている。非常に上手いと感じたのは、そもそもこのゲームのモチーフ自体が「狩り」を銘打っている点。敵が理不尽に強かろうが、弱くて材料集めの作業になろうが「狩り」なのだから有りだ。実際に強い敵はコンビネーションによる即死コンボまであって驚愕。
 
非常にスパンの長いゲームなので、ゆっくりと進めたいと思う。

「ボーン・アルティメイタム」

Posted by h-wired on 11月 26th, 2007
2007
11月 26

Bourne Ultimatum

見てきました。相変わらず人のフィジカルな動作に影響を与える力のある素晴らしい映画。
そりゃ大股で早歩きになったりするよ! 後ろとか警戒しながら歩いたりするよ! その場にあるものだけで、どうやればこの場に居る全員を無力化できるか考えたりするよ!
 
スプレマシーから注力されている、その場のアイテムでどうにかしてしまういわゆる「マクガイバー的ソリューション」が今回も小気味よく使われていて気持ち良い。さらに追跡側、逃亡側のやりとりにおける圧倒的なリアルタイム感。双方の思惑の交錯。敵ではあるが、プロである以上その行動にある程度以上の確度がある、という前提での行動。実に素晴らしい。要所で使われている主人公の記憶のフラッシュバックが多少伏線として強引なきらいはあるかもしれないが、それ以上のカタルシスを画面に提示してくれるので気にならないレベルだった。
 
同席した人物が、「演出部分がアイディンティティは味付けとして甘かった。スプレマシーは個人的には辛すぎた」との評で、そういうものか、と妙に納得してしまった。その説でいえば、自分は多少辛いくらいの味付けでも充分いける、というところだろうか。ちなみに「今回のアルティメイタムは甘辛くて丁度良い塩梅」との言。さもあらん。ただ追跡されているシーンが、画面の切り換えと見せ方、そしてなによりその音楽が無条件の「かっこよさ」を導いている。気付けば、今回も民族楽器が主張する温かみと力のある曲が、完璧に場面と合わせられていた。
 
余談だが、見終わった後平沢進の「庭師KING」が何故か頭の中で無限ループしていた。自分でも訳がわからず、必死で考えてみたところ、どうやら歌詞の「三歩目の歩行で己の名を見つけ」だったようだ。この部分だけだが、妙に馴染んでいて印象に残った。

「扉の外 Ⅲ」 土橋真二郎/電撃文庫

Posted by h-wired on 10月 24th, 2007
2007
10月 24

こちらも積んであったものをようやく読了。シリーズ最終巻。
 
閉鎖空間偏愛者として追いかけていたが、1巻、2巻に充分に感じられた閉塞感を、今回綺麗に切り捨てている部分が残念。もっとこう、限られたリソース感を醸し出してほしかった。今回のゲームはガジェットを介してFPSともMMOとも思えるサイバースペース的なものに移行。このゲームもルールが大局的になり、リソース感は雰囲気程度に。代わりに閉鎖空間での人間関係をゲーム内に展開する、という手法になっている。
 
真相の解明もいま一つぴんとこなかったが、その後の「レイヤー世界展開」は個人的にスマッシュヒット。ここでそのやり方を持ってくるとは思わなかった。なにひとつ解決しているとは言い難い形だったが、閉鎖空間での無力感としてこれは充分にありだと思う。巧い締め方。
 
総じて見て、よほど閉鎖空間に偏愛がない限りは1巻のみを読む事をお勧めする。人に勧められるかどうか微妙なラインではあるが、設定の段階で「勝っている」部類の良い小説だと思う。面白かった。

2007
10月 24

魚蹴さんのこのエントリを見て以来、買ったもののずっと積んだままにしてあったものを一念発起して一気に読了。
 
色々な作品に影響を与えている、という表現は正にその通りで、実際に読んでいる間じゅう他の作品が次々に思い出された。あれもこれも、といった具合。魚蹴さんの指摘している「エウレカセブン」などは正に「ブラッドミュージック、主人公的にハッピーエンド版」だろう。
「変化」以降、本当に急速に序盤の日常的な空気がかけらも感じられなくなり、主人公の研究者としての描写などがはるか昔の事であるかのように感じられてくる。一気に読んでいたはずなのに「もうあのころには戻れない」感ひとしお。
 
作品としての「ブラッドミュージック」の焦点は、まさにこの部分にあるだろう。ホロコーストを観測する人物として数人が設定されてはいるが、それら人物のその後は全く語られない。当然だ。「破滅」だから。これはやはり進化、変化などではなく、人類にとって明確に「破滅」の話なのだと思う。「ヨコハマ買い出し紀行」の優しいホロコーストを連想してしまう。
 
あまりに原型過ぎて、人によって連想する作品の違いがあるのが面白い。傑作。

「アカツキ電光戦記」 SUBTLE STYLE

Posted by h-wired on 10月 16th, 2007
2007
10月 16

http://www.eonet.ne.jp/~subtle/
 
この度めでたくもアーケードにて稼働が決定した同人オリジナル格闘ゲーム。
同人格ゲーのアーケード稼働に関しては、原作つきではあるがメルティブラッドが既に視野を開いている。しかし、今回のは完全オリジナルだ。期待。
 
ここ最近ヒマがあればずっとアカツキばかりやっていたが、このゲームの秀逸なところはなにも「格ゲー的によくバランスがとられている」ばかりではない。まず、一人用のモードが非常に充実している。タイムアタックとスゴロクモードが素晴らしい。前者はレースゲーム的な感覚で、後者はアドベンチャー的に延々と遊ぶ事ができる。気付けば2時間以上コントローラを握ったまま、というのはザラだ。実に危険。
 
そして、なんといっても白眉なのがオンライン対戦の出来のよさだ。コンフィグからIPアドレス、ゲームマッチング用ポート番号、対戦用ポート番号のデータを一括して処理し、「マッチングコード」として出力する機能が備わっている。これをゲーム内のマッチングサービスに入力しておけば、いつでもネット対戦を受け付けられる状態になる。もちろん相手のマッチングコードが判っていればこちらから乱入をする事もできる。一人用をプレイしている時に対戦申請が来る事だってあるのだ。
言ってみれば、ネットワーク経由での対戦台に近い。これはPC格闘ゲーム通信対戦においての大きなパラダイムシフトなのではないだろうか。双方で申し合わせることなく通信対戦がいつでもできるなんて話は同人格ゲーにおいては異色の機能だろう。(自分が聞いた事がないだけで既に存在しているかもしれないが)
つい10年ほど前に夢物語のように語っていた事が現実になったような気がしている。

「Darker Than Black -黒の契約者-」

Posted by h-wired on 10月 2nd, 2007
2007
10月 2

最終回視聴終了。

最初から追いかけてきてよかった。登場人物各員のプロフィールが既に伏線になっており、それを順次確実に回収しながら、最終的に主人公の動機解決に向かう。本当によくできた構成。世界観に関する言及が意図的に少なくされている部分があり、気を入れて見ないとついていけない可能性が少なからずある、というところが少々難ではある。クオリティについても常に安定しており、安心して見られた。特に戦闘時の動きは非常に上手く扱ってある。菅野サウンドも安定感に一役買っている印象。面白かった。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」

Posted by h-wired on 9月 21st, 2007
2007
9月 21

見に行ってしまった。現状の個人的な時間進行から考えると暴挙ともいえる行動。
しかし、行った価値はあった。本当に映画館に見に行っておいてよかった。以下激しくネタバレなので未見の方は読まないことを強くお勧めする。
 
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