Desktop Dungeons

Posted by h-wired on 10月 16th, 2011
2011
10月 16

Desktop Dungeons
 
「10minute-Roguelike」と銘打つダンジョンハックゲーム。まあすぐ死ぬから10分なんでしょう、と
全く期待せずにやったらこれが滅法面白い。ちゃんとうまくやればクリアできる絶妙な難易度と、クリアするごとにアンロックされる新ルールや新クラスも面白く、ついつい時間を忘れてやりこんでしまう。
 
ローグライクと銘打ってはいるが、ランダムな要素は初期配置以外殆ど廃されており、その実パズルゲームに近いだろう。どの段階でどの敵を倒してレベルアップし、次に……とアブストラクトに展開を手として読んでいける。敵もこちらが攻撃しない限り戦闘にならず、移動もしない。自キャラが回復すると敵も回復するので、チマチマ与えて倒すという手法が取れないあたりもパズル的ゲームを成立させる要素として重要。
 
自キャラの回復がローグライク的に歩くことなのだが、未開の地を開拓しなければ回復できない。これはイコール未開の地はリソースであり、これをうまく使って「あえて探索しない」などの手法をとらないとクリアは覚束ない。このあたりはチュートリアルに丁寧に説明されているので、最初でも安心だ。
現在、全4クラスの上級職を1段階アンロックし、さらに2キャラの上々級職をプレイしているところ。ここまでくると本当に難しく、アイテム等の運も絡んでくる。ここに来てようやくローグライク的な展開になったともいえる。
 
フリーの名作1次元ローグライク「雪道」を彷彿とする、数字をやりくりするのが面白い傑作。雪道を好きな人は是非プレイして欲しい。時間を忘れてハマること請け合いだ。

ChromeのアドレスバーからGreplinを検索する。

Posted by h-wired on 4月 16th, 2011
2011
4月 16

個人用の各種サービス横断検索Greplinが非常に便利で驚いた。
GoogleDoc、Gmail、Dropbox、Twitterなどを含む各種サービスを、十分に実用に耐える速度で一気に検索できる。日本語にも対応している。

これは手放せなくなる、と思い、早速オフィシャルが提供しているChrome拡張をインストールしてみたが、微妙に使いづらい。クリックが必要なあたりがテンポを削いでいる感じがするのだ。
Chromeには検索エンジンをキーワードで指定できる機能がデフォルトである。これに設定してみたところ満足に動作したので、簡単に過程を記しておく。(バージョンは11.0.696.44 beta)
 
アドレスバー(検索も兼ねているのでOmnibarというらしいが)を右クリック>検索エンジンの編集
現在登録されている検索エンジンが表示されるので、一番下の新しい検索エンジンの部分に適宜分かりやすい名前を入力。キーワード部分はここでは「gl」とした。
最後のアドレス部分に「https://www.greplin.com/#q=%s」を入力。

以上の設定をした上で、アドレスバーに「gl スペース 検索語」と入力すれば、直接Greplinで自分用の各種データを横断検索することができる。

先日sawame_ja氏と話をしていた時に「マギカはTRPGではよくある光景っぽい」といった話をされ、「それだ!」と開眼、そこから発展して妄想した内容を書き連ねた。
「魔法少女まどか☆マギカ」に関する完全なネタバレを含んでいるので、視聴していない方が以下を読む際には注意されたい。是非本編を見てから読むことをお勧めする。
 
一般的な言葉と混同しやすいゲームのルール単語にはなるべく『』を付けて表記している。シノビガミを知らない方は「そういったルールがある」程度に認識してもらえれば問題ないはずだ。
 
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Kindle3でログ・ホライズンを読む

Posted by h-wired on 10月 10th, 2010
2010
10月 10


 
飲みの席で少し話を聴いていて気になっていたので、ネットで情報を調べていたら無性に欲しくなってしまい、10月3日に衝動的に米Amazonに発注。10月7日に到着した。3G+Wifiモデル。送料、関税等を含めて220ドル。おおよそ19000円だった。
衝撃的なのは3G回線無制限利用可能ということ。(月額課金など一切なし)Kindle Shopでの本に数ドル上乗せされていて、それを回線使用料に充てている、というビジネスモデルらしい。常にネットに繋がっている、という利点は大きく、Feed系の各種サイトを利用して外出先で動的にニュース等を拾ってくるなどという芸当も可能だ。
 
もともとテキストファイルやWeb上の気になっていた小説を読む目的が大半だったが、可能ならばやらない手はあるまい、と積ん読20冊ほどを裁断スキャンサービスに発送。到着から3営業日でデータ納品、という話だったが、木曜日に到着、金曜日夜には納品されていた。事実上1日。連休前で前倒し作業してくれたのかもしれないが、実に迅速な納品で助かった。
pdfデータ自体の出来も上々。価格も表紙カラー、ファイル名変更込みでこの値段は他の競合と比べても遜色ないのではないだろうか。

http://www.scanboxx.com/

 

 
どこのサイトでも触れられているが、電子インクの発色というか表示は軽く笑いさえ伴なう感動がある。完全に印刷されたものと同レベルの視認性。構造上ページ送りのたびに印刷しているようなものだ。長時間読書するのに完全に最適化されたデバイスである。
ただ、pdfをこの写真のように効率よく表示するにはファイルそのものに多少の細工が要る。スキャンしたそのままだと画面に合うように表示されるのだが、余白部分もKindleの画面に収まるように表示しようとするので、文字自体が小さくつぶれて表示されてしまい、日常的に読める表示ではなくなってしまう。拡大も一応可能だが、ボタン操作でのスクロールが必要になってしまい、本を読む目的には全く向かない。
ファイルそのものを最適化するソフトを通してやるのがいいだろう。

http://blogger.tempus.org/search/label/kindle

 
 
 
懸念のログ・ホライズン(に限らず、Web小説全般だが)は分量が圧倒的に大きいので、縦書きpdfに変換するのはCPU負荷的にも手間的にも効率が悪い。テキストファイルを公式から拾ってきて適当なソフトで1ファイルにまとめてしまい、txt2kndlでmobi形式にコンバートするのが効率がいいのではないだろうか。もともとWeb上の小説なので横書きでも特に違和感はない。
 
リアル書籍を取り込んで読む際に多少の知識と手間が必要な部分は一般には向かないが、USB経由で放りこむだけ(マスストレージとして認識される)というシンプルな仕様や、表示の美しさなど、総じて満足度は高い。
慣れてくると、読んでいるうちにKindleという機械で読んでいることを忘れてしまうだろう。そういう為に作られたデバイスだ。

2010
9月 4

「超」のつくネタバレ注意。
未プレイの方は以下のエントリをプレイ後に読むことを強く推奨する。
他作品のネタバレにも微妙に言及している部分があるので、注意されたい。
(特に映画「バタフライ・エフェクト」は決定的ネタバレにつき注意)
  
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GoogleChromeに入れている拡張あれこれ

Posted by h-wired on 2月 16th, 2010
2010
2月 16

FirefoxからGoogleChromeに本格的乗り換えて環境も落ち着いてきたので、使用中の拡張の中から人にオススメできるものをリストアップ。
 
乗り換えを本格的に考えている人で、「Firefoxを使い込んでいる」「マウスジェスチャを常用している」方は、まず導入の際に本家GoogleChromeではなく、ChromePlusの導入をお勧めする。理由はいくつかあるが、組み込み済みのマウスジェスチャにChrome特有の機能制限性がなく、ネイティブ動作なのが最も大きい。履歴機能等の各種便利機能も組み込まれており、アップデート対応も十分なので利点のほうが多いと思われる。
一部リンクは割愛しているので、気になったものは各位で検索されたい。
 
AutoPatchWork
Chrome用のAutoPagerize。
「AutoPagerize」も拡張として存在するが、対応サイトがほぼ同じ(同じ設定を見ている?)なので、アイコンが目立ち、オンオフの切り替えがしやすいこちらを使用。
 
Chrome Keyconfig
FirefoxのVimperator代替用。
各種オペレートにキーを割り当てられるほか、LDRize機能とHit-a-hint機能内蔵。
 
ChromeFullFeed
LDR、FastladderにGキーでフル情報表示機能を追加。
 
ChromeMigemo
MigemoFindInPage
併用してページ内Migemoインクリメンタルサーチ。
 
Faviconize Google
Google検索結果にFavicon表示。
 
fc24ldr
LDR、Fastladder内でも、リファラで表示されない画像を表示するDirtyHack。リスペクト。
 
Feedly
GoogleReaderの内容を雑誌的なレイアウトで読ませてくれるサービス。流し読み用記事はこちらに入れている。
 
Google bookmarks
ほぼ同じような名前で似た用な拡張がたくさんあるが、「ラベルなしをちゃんと表示」「ポップアップ内で編集、削除可能」「見た目が整っている」などの要因からこれを選択。
 
Google Mail Checker Plus
Chromeに乗り換える動機になった強力無比なGmailチェック用拡張。ポップアップから日常するほぼ全てのメール操作が行える。思わず翻訳プロジェクトに参加してしまったほど。現在表示される日本語訳は自分の投稿したもの。
 
Google Tasks
Gmailに付属しているTasksをシンプルにポップアップ表示するもの。もともとのTasksがGmailの特定メールに関連付けする機能を持っているため、これだけで十分に強力。
 
Hatena Bookmark GoogleChrome extension
はてな公式。ページ内リンクにブックマーク数が表示される。さっとブックマークコメントが確認できるのも便利。
 
LDR open in background tab
LDR、Fastladderでピンした記事を開く時にバックグラウンドで開く。要はFirefoxでのデフォルトの動作を再現するための拡張。
 
LinkOpenNewTab
別ドメインへのリンクを自動で別タブで開いてくれる拡張。これを入れるだけでFirefoxからの移行の違和感はかなり解消する。
 
Mashpad Simple Popup
拙作。メモ管理サービス「Mashpad」で普段使いのメモや確認をするために作成。サービス側で用意されてるページをiFrameでポップアップに放り込んだだけ。
 
Page Monitor
RSSを吐いていないページをモニタする拡張。主にアニメ、ゲームなどの「公式ページ」をモニタするのに利用。正規表現による詳細なモニタ内容指定も可能。
 
Speed Dial
OperaのSpeed Dial相当。日常的によく利用するページを登録。
 
Taberareloo
FirefoxのTombloo代替。上述のKeyConfigとあわせて、J、Kでスクロール、TでReblogが可能。Dashboard以外でもマウスカーソル下の画像などをTでポストできる。
 
Unread Bookmarks
InstaPaper、Read It Laterに送るまでもなく、すぐに読んで消化してしまうものを入れておく用。ローカルのみで処理される上、ポップアップから消去、フォルダ移動ができる。登録も普通のブックマークと変わらず、Unreadフォルダに入れるだけ。未読数がアイコンに表示されるのも好印象。
 
ニコニコ プレイヤー Chrome版
Firefoxの同名GMスクリプトの移植版。ローカルでニコ動プレイリストが作成できる。

「ダライアスバースト」 TAITO/PSP

Posted by h-wired on 1月 4th, 2010
2010
1月 4

ダライアスバースト
 
12年にわたる空白期間を経て発売されたダライアスシリーズ最新作。
似たような伝説シリーズ復帰ものとして、鳴り物入りで発売された「サンダーフォース6」がどう見ても非常に残念な出来だったために、その事情を知るシューターからは警戒されていたであろう本作だが、見事にその懸念を打ち破ってくれたといっていいだろう。腕に覚えのあるシューターもそうでない人も十分に楽しめる快作。
 
もともとシューティングゲームはジャンルとしての行き詰まり感が叫ばれて久しい。プレイヤのジャンル離れが相当な昔から語られている。特にゲームセンターでの扱いは、ゲームの性質上、インカムの対時間比から真っ先に縮小されるジャンルとまで言われる。
ジャンル行き詰まり感のさらなる要因の一つともいえるのが、視覚的な「一見様お断り感」だろう。画面を埋め尽くすような弾幕や、複雑な操作系、初見殺しなど、「私にシューティングは無理だ」と思わせるような要素が多い。
もちろんこれは逆説で、これらの難解な要素を「自分の腕で乗り越えている快感」を得させるためのシステムであり、シューティングとはそういうゲームジャンルなのだともいえる。
 
しかし、本作はそういった「非シューター」を自認する人にこそ、是非プレイして欲しいタイトルだ。ジャンルとして今作るべき、あるいはプレイすべきシューティングゲームとは一体何かをひたすらに考え続けた制作陣の、一つの解答がここにあるといっても過言ではない。
深夜通販風に「でも、シューティングなんだから難しいんでしょう?」という方のために以下に推薦する理由をいくつか列挙してみる。
 
自機が固い
ダライアスシリーズの伝統ともいえるが、とにかく自機(正確にはバリア)が固い。弾丸に触れれば即死、ボムの無敵でそれを回避する、というシステムが非常に多い昨今だが、ダライアスバーストは安心のバリア制。しかも1発だけとかそんなケチな事は言わない。最初から3発の耐久度があり、バリアアイテムをさらに取ることで耐久度を1づつ重ねられる。自機が3機しかなく、ボスの攻撃がいかに過酷でも、8発の被弾に耐えられるとなれば挑む際の心持ちからして違ってくるのではないだろうか。
 
視認性が高い
見えづらい弾幕も、把握出来ないような高速弾もなし。正確にパターンを作らなければ抜けられないような場面もほとんどない。一部ボスに初見殺し的な攻撃はいくつかあるものの、上記の固いバリアも相まってプレイヤ側の学習効率が高く、理不尽な即死はほぼないといっていい。
 
進行ルート選択式
これもダライアスシリーズ伝統。ステージをクリアするごとに二択があり、最終ボスまで複数のルートが存在する。自分にとって楽なステージを進むことができ、1コイン攻略における難易度的な閉塞感を軽減している。だんだんと苦手なステージを攻略していく、という要素も楽しめるだろう。
 
こういった要素を聞くと、いわゆるシューターにとってはヌルいゲームになっているのではないか、といった懸念もあるだろうが、バーストというシステムが絶妙にそれを補っている。置きバーストやカウンターバーストは扱いが難しいだけに、うまくいった時の快感はひとしおで、つい狙いたくなる魅力がある。
 
BGMも専属バンドを持っているだけあって流石の一言。特に1面ステージ曲は素晴らしく、一聴の価値あり。伝統タイトルを背負っているに相応しい一本。

2009
11月 15

ハードカバーの時点で表紙を見ていて気になっていたものが文庫化されていたので衝動的に買ってしまい、一気に読了。上下巻分冊。
 
ハードカバー時に原題「improbable」を目にしており、これが気になっていたメインの要因。この原題を「数学的にありえない」と邦訳した時点で素晴らしい。勝っている、と思った。
確率論、統計学を教える立場であった主人公が、持病の発作と戦うべき時にポーカーで大負けしてしまい、多大な借金を抱えるどん底から物語がスタート。
その後、借金取りの手をかわしながら兄弟やコネを使ってなんとか凌いでいるうちに、別系統で語られていた複数の事件が複雑に絡んでくる。
 
確率論や哲学、量子論などの各種要素が実に巧妙に物語に組み込まれており、それら情報を読者に提示する場面も非常に自然で飽きさせない。別系統で進行している事件に視点がどんどん飛んでいくさまは海外ドラマ「24」を彷彿とするが、それらの別視点の事件が、主人公の見る系統である事件本筋に絡んでくる過程も実に見事。そして不意打ちのように繰り出されるトリックはもはやガード不能技といっていいレベルの破壊力がある。
 
映像で凄く映えそうな描写も多く、映画で見たい作品。映画化もありえるのではないかと勘繰ってしまう。SF的なアイデアとミステリ的トリックと海外ドラマ的なサスペンス感が見事に同居した傑作。

「紫色のクオリア」 うえお久光/電撃文庫

Posted by h-wired on 8月 19th, 2009
2009
8月 19

「悪魔のミカタ」の著者が電撃HPに掲載した、イラストレータとのコラボ企画短編を、書き下ろしを含めて一冊の長編にしたもの。
 
タイトルに含まれているクオリアをはじめとするちょっとした哲学的な要素が、SF設定に実に見事に折り込まれている。基本的に主人公の一人称で物語は進行するが、SF的トリック(あるいはレトリック)でそれが高速に破壊され始めるくだりは圧巻。
帯の概要にもある「他者がロボットに見える人物」という設定は、どうしても火の鳥の未来編を連想してしまうが、実に順当に(そして表題に忠実に)その予想を裏切ってくれる。そして、そこから導き出される破壊的な展開は、読者が無意識的にしている期待を遥かに凌駕している。
SF的な理詰めでの展開を見せる本作だが、やはり締めの部分は主人公の動機に行き着く。あまりの速度での理論展開に慣らされてしまった読者は、一瞬これを期待外れと感じてしまうかもしれない。しかし、発生した物語の原点を考えると、最早これ以外ない、といえる完全な締め方である。
 
ネタバレを避ける為に抽象的な話に終始してしまったが、積極的な興味を持たない人間でさえ一気に引き込むことのできる、非常に力に満ちた作品なので、少しでも気になった向きは是非手にとってもらいたいところ。特にハヤカワSFを読むような人間は必携といえるだろう。損はしない。
SFとしてもライトノベルとしても、近年稀に見る傑作。

「からん」 木村紺/アフタヌーンKC

Posted by h-wired on 6月 10th, 2009
2009
6月 10

「神戸在住」の木村紺による女子柔道漫画。
現在2巻まで刊行されている。
 
1巻を読み始めた時の違和感は「神戸在住」との違いによるもので、この違和感の正体はすぐに判った。「からん」は前作に比べて、非常に三人称的に書かれている。
主人公の独白(いわゆる思考)はある程度書きこまれているが、やはりそれは「神戸在住」的ではない。主人公以外のキャラクタの独白もほとんど同じくらいに書きこまれているし、主人公不在の場面も相当ある。
にも関わらず、この漫画が非常に「木村紺的」である原因は、その五感描写にあるのではないかと思っている。人と話す場面での微妙な「間」の書き方。格闘技という場面での、毛が逆立ち、鳩尾が冷えるような緊張感の描写。そしてなにより、格闘時の体感音が印象深い。
 
噛み締めた歯が鳴らす軋みの音。胴着を掴まれた組み手を振りほどく際の、周囲にはそう聞こえないであろう音の描き方。主人公が相棒に抱く幻視の風の音。
こういった非常に一人称的な感情や体感の描写が、「からん」という作品を「木村紺的」にしているのだろう。最初の違和感とは大きく違い、やはり木村紺の作品の方向性は変わっていないと感じる。
 
2巻では各キャラクタの動機について深く言及されているが、これも非常に三人称的で面白い。柔道に邁進し成長していく、いわゆる主人公枠にいる京が、描写上主人公の位置に据えられていない。そこにいるのはさしあたっての導き手である高瀬だ。これは観測上の天才性を演出する目的もあるだろう。それほどに京の動機と天才性は熱い。
 
これ以上は感情論になるのであまり的確な言葉が見当たらない。しかし「からん」は格闘技経験者に限らず、勝負事全般を経験した事のある人間(=ほぼ全ての人)に、この感情の是非(もしくは善悪、その他基準)を問いたくなる逸品。凄まじい作品といえる。

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